6-2 エネルギー素材の基本原則

魔道具を理解する上で、まず素材の性質を正確に把握する必要がある。三つの素材は役割が根本的に異なる

6-2-1 トリフォス(Triphos)

大気中・水中に漂う環境粒子。魔道具の直接的な「燃料」ではなく、アイテロミトスが代謝して初めてMTPに転換される原料である。

保存の不可能性:トリフォスは容器に封じても即座に拡散する。「トリフォスの保存容器」は存在しない。魔道具への充填もできない。

6-2-2 魔石(MBP-C:Mesorine Biophosphate 結晶)

アイテロミトスの代謝副産物が体外で結晶化した物質。高濃度環境で生息する生物(深海魚介類、温泉帯の獣)の死骸や巣穴から採取される。

【魔石の仕組み】

高濃度環境の生物が長期間トリフォスを代謝
    ↓
余剰MTP代謝副産物が体内・巣穴で結晶化
    ↓
MBP-C(魔石)として採取
    ↓
低濃度環境に持ち込む
    ↓
濃度勾配の差によって内部保持分が放散(拡散)
    ↓
術士がこのエネルギーを補助的に利用

外観:透明〜薄緑/青色の小石状。光の当たる角度で淡く発光する。

放散メカニズム:温度ではなく濃度勾配が主因。外界のトリフォス濃度が低いほど、内部保持分が外へ滲み出るように放散される。低温保存で放散速度をほぼ停止させることが可能(復温後は通常挙動に戻る)。

⚠️ 急冷・急加熱で微細クラックが生じ、復温直後に放散が瞬間的に跳ね上がることがある。これは事故の原因となるため、温度管理は緩やかに行う。

6-2-3 星銀(Stella Argentum)

【星銀の本質】
  触媒 = 反応を「速める・整える」が消費されない

  ✅ MTP出力の波形整形を高精度化
  ✅ 複数属性の同時伝導を可能にする
  ✅ 共鳴周波数を持ち手の意思に合わせて自動調整
  ✅ 触媒被毒(劣化)は起きるが、定期メンテで回復

  ❌ トリフォスを「保存」しない
  ❌ 魔道具の動力源にはならない
  ❌ MBP-Cの代替にはならない

希少性:極めて希少。国家管理レベルで流通しており、市中への出回りはほぼない。

三者の関係まとめ

トリフォス   → 原料(保存不可)
魔石(MBP-C) → 携行可能なエネルギー源(カートリッジ)
星銀         → 触媒(反応を整える・保存機能なし)
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